愛と美の女神アフロディテ  Aphrodite

 ギリシア守護神の愛と美の女神アフロディテ Aphroditeは、ローマに入ってヴィーナス Venusと呼ばれるようになります

マーカー神々の概略

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◆彼女は海の泡から生まれたと伝えられ、美しい衣を着てさらに美しさを増し、多くの神々が心を奪われ、自分の妻にしたいと望んだと言われます。アフロディテは、ケストスと呼ばれる絢爛な帯で、天界の神々や地上の人間に愛情を沸き上がらせることができました。「ヴィーナスの生誕図」は、サンドロ・ボッティチェリやアレクサンドル・カバネルなど巨匠に描かれ人気を集めています。
 

◆多く、大神ゼウスの愛娘とされているアフロディテですが、「泡から生まれた女神」という意味を持つ名前に由来する興味深い一説があります。大地母神ガイアが、天空神ウラヌスと交わり多くの子を産み落としてきた中で、一部の子どもたちは、一つ目あるいは五十の頭と両腕があるなど奇怪な現象が起こります。子どもたちは、ウラヌスにより、タルタロスという冥府に閉じこめられますが、これに激怒したガイアは、末息子のクロノスと結託し、ウラヌスを大鎌で抹殺するのです。クロノスがウラヌスの生殖器を切り落とし、海に投げ捨てた時に海に泡立つ白い波が発生して、そこからアフロディテが誕生したというヘシオドスの「神統記」は、異色作家の斬新な脚本というところでしょうか。

 

◆いずれにしてもギリシア神話に登場するアフロディテの男性遍歴は華やかなものです。夫・鍛冶の神ヘパイストスの存在がありながら、戦いの神アレースと情事に走り女神ハルモニア、知恵の神ヘルメスとの間にはヘルマフロディトスをもうけています。


参考絵画

ヴィーナスの誕生

◆ギリシア〜ルネッサンス〜バロック期を通じて、一貫してふくよかな肉体美をさらけ出すヴィーナス。妊婦を思わせるかのように、下腹部が大きくふくらんでいるのが特徴です。妊娠とは、即ち結実。まさに、実り、豊穣、豊かさ、fruit=自動詞で実る、名詞で果実の象徴ですね。特に、ギリシア時代においては、実際に太っていることが、美女の条件でありました。日本でもふっくらした顔が美女の条件であった時代がありました。身体がふくよかであることは、金銭的な豊かさの象徴でもあり、羨望を浴びるひとつの条件だったのです。

 


参考絵画

マルスとヴィーナス

◆こちらは、4月の特集「牡羊座徹底分析」で取り上げたマルス、火星を司る戦闘神とヴィーナスの情事のシーンです。様々な画家にも取り上げられているモティーフなのですが、大抵の絵柄ではこんな風に、気だるい印象です。まあなんとも淫らというか、ここまで描くか?と思うところですが、当時の王侯貴族のおそらくメディチ家の「ベッドの頭版」を飾るものとして作成されたとのことで、それならばうなずけるという構図。さしずめ、チャートにおいては、「火星と金星が調和座相とかコンジャンクションしているところへも、木星、海王星あたりが不安定な角度で足を引っ張る」とこのような感じになるのでしょうか。こちらでもヴィーナスはマタニティドレスのような出で立ちです。


参考絵画

プリマベーラ(春)

◆3月の表紙を飾っていただいた「ヴィーナスの誕生」(=ナディアのギャラリーを観てね。)と並んで、ボッティチェリの代表作。中央に描かれているのが、「春」の象徴として描かれたヴィーナスです。その隣に「花の女神フローラ」がおりますが、花模様のマタニティドレスに似た衣装、そして頭上の果実も引き立て役になっているからか、、こちらのほうはウェイト版「女帝」が彷彿とされませんか? 「関連タロット/THE EMPRESS/女帝」について、この絵を観ていただくのも、理解が深まる一端となるでしょう。