私たちが通常「12星座占い」と呼んでいる占いですが、実際の夜空に見える12星座とは別個のものです。 ちょっとここで、夜空の状態を確認しておきましょう。
 図1)天体における星の年周運動 は、中学校理科第二分野「天体」の授業内容です。
 星が天球上を東から西に、1年で一回転する動きを表したものです。地球の公転による見かけ上の動きとなります。1年で一回転ということは、1年で360度、1ヶ月で30度、1日で1度移動するということになりますね。私達が使用している暦と連動しているわけです。

図1)天体における星の年周運動


 現在2009年12月は、12星座占いでは射手座〜山羊座の時期になりますが、この時期に私たちが肉眼で夜空に確認できるのは今月の表紙にもありますオリオン座を筆頭に、牡牛座、双子座など。蟹座が見られるのは春先のことになります。現在天文学上の星座とは、全天で88星座と定められています。

 私たちが占術で用いている12星座とは、あくまでも古代シュメール〜ギリシア時代に定められた伝統的なものなのです。 中でも基準となるのがバビロニア時代。そこで、黄道という太陽の軌道にそって並ぶ12の星座が黄道12星座として制定されたのです。

 図2)占星術的天球図に見られる黄道12宮 は、その古典的な宇宙観を表したもの、地球を中心にした見かけ上の星の動きです。赤で示した黄道に12の星座記号が並んでいます。ここで基点となるのが、春分点。ちょうど黄道と天の赤道(地図上の赤道を天球にまで移動させたもの)が交わる地点です。ここから30度間隔で、牡羊座〜魚座が配置されることになります。古代バビロニア人は、黄道を正確に12分割して、各12星座の定位置を定めたのです。

図2)占星術的天球図に見られる黄道12宮

 
 図2)占星術的天球図に見られる黄道12宮 の黄道面を横割りにした平面図が、図3)です。
 360度の円に12の区切り線ができますね。 この平面図に表した天球図が、「ホロスコープ」と呼ばれるもの。春分点を基点にアセンダント(ASC)として、そこから30度間隔で12のハウスが刻まれ、黄道12宮となります。各12の宮には牡羊座〜魚座の12星座が配置されます。

図3)平面図にした天球図(ホロスコープ)


人が生まれた時点で、このホロスコープ上にどのように主要十惑星が配置されているかを論じる占い、これが12星座占いなのです。

 これまで「星」もしくは「星座」と言ってきましたが、天文学上の名称は恒星です。自ら光を発する星を恒星と言います。たとえば、「天秤座」は、一等星のアンタレスをはじめとした約35の恒星からなるものなのですが、12星座占いで見る星々の動きとは、こういった恒星の動きではありません。
 では何を見るのかというと、天体における主要十惑星、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の動きを見るのです。いや、これではまだ8惑星ですね。 実は、ここに「太陽、月」の二大惑星を追加しているのです。おや、太陽は惑星ではなく、紛れもない恒星です。月は、地球の周りを回る衛星で、これは自ら光を発しません。いずれにしても「惑星」ではありませんが、 この二大星に関しては「仮想惑星」として、他の主要8惑星の仲間に加えて採用しているのです。
 主要十惑星の中で、最も重要とされる太陽を、黄道12宮の中どの宮に持っているか?これが最大の論点となります。あなたは何座でしょう? 「天秤座」であれば、あなたの太陽は「天秤宮」に位置していることになります。


 東洋・西洋いずれの占術においても、太陽と月は
重要不可欠なシンボルです。 占術は、太陽に始まり
月に終わると言っても過言ではないでしょう。
占術とは、太陽と月の学問、言ってみれば人間を考察する学門なのです。
太陽と月の結婚を目指して、古代人は星の軌道を追い求め、
幸せの星を探し出そうとしていたのです。太陽は人体を、
月は人の精神を表し、太陽は男性、月は女性に結びつけられてきました。

 ではさて、そもそも12星座占いとは、何を占断(占いによって判断)するものなのでしょうか? その人固有の人生傾向、そしてパーソナリティ/PERSONALITYを見るもので、これを仕事や人間関係に役立てようというものですが、 もっと言えば「自分を知り、他者を理解するため」のものと言えるでしょう。

 よく、「私は天秤座ですが、社交的だと言われる天秤座の性格とは違うような、、」なんてご意見をいただきます。 まず、「性格」について語弊がある場合があります。先ほど、パーソナリティ/PERSONALITYという言葉を持ち出しましたが、 英語にはこれに似た言葉があと2つほどあります。これらを交えて、パーソナリティ/PERSONALITYを定義してみますね。

・キャラクター/CHARACTER:人格
「あの人は紳士的だ」というように、日ごろの振る舞いや生活習慣をも含めた表現します。

・ネイチャー/NATURE:生来の気質、性分
「私はせっかちな性分でね」というように、生まれ持った性格傾向を表す時に使われます。

・パーソナリティ/PERSONALITY
CHARACTER、NATUREを総合的に表現した人の個性、人となり。


 「私はこんな人、こんなタイプではない」という「こんな」に当てはまることばは誰にでも無数にあり、 しかもケースバイケースではないでしょうか? 「天秤座だけど社交的じゃない!」と感じられるようなケースがあるのも理解の範疇です。 24時間どこでも社交的な人を、むしろ見つけることのほうが難しく感じられます。
 ただ、「天秤」というシンボルに象徴されているように、12星座の天秤座は、対する人に合わせて自分の物差しを器用に動かし、 臨機応変に相手に合わせて対応することに優れている人だ、ということが、古代人の象徴学の示すところなのです。 天秤座でありながら社交的でないという人は、非社交的な消極性こそが、一種の社交術になっている可能性があると言えるでしょう。 あるいは、天秤という測りの使用法をまだ発揮できていないだけのことかもしれません。 いずれにしても、12星座占いは、性格診断テストではないのです。 そもそもの象徴をしっかり解釈してお伝えすることが、12星座占いを提供する側の占師の義務でもあり、 これが怠られているがために、「当たってない」などというお叱りを受けるはめになるようなことは、 私共は避けたいと考えている次第です。

では、次回は12星座のいわれと成り立ちをお送りします。お楽しみに!